信頼できる事情通に勧められて訪れたのが、

今回ご紹介する鹿児島・天文館の「ill Duomo（イル ドゥオーモ）」というイタリアンです。

トリナクリアと印象的なブルーの外観が目印となっています。

 

店内に入った瞬間、よく足を運ぶ界隈でありながら、

なぜかこのお店を見落としてしまっていた自分に猛烈にダメ出し。

「こんな素敵な場所があったなんて―」と思わずそんな呟きが漏れてきます。

大人の洗練されたムードに、慌ただしい表通りのざわめきが、スッと遠のいていくかのよう。

 

ディナーのコース料理は、盛りつけにも凝っていて、目でも楽しめる贅沢な仕上がりになっています。

季節によって内容は変わりますが、例を挙げますと、アミューズの

「カボチャのポタージュにローストアーモンドとトリュフをのせて」から始まり、

「伊産フレッシュポルチーニのコトレッタ リコッタチーズのムースを添えて」と続き、

パスタには「タリアテッレ伊産ウサギのラグーアグロゴル チェラグサーノ」がお目見え。

 

なめらかな展開で「甘鯛の鱗焼き 桃とブッラータチーズ 阿久根の生雲丹添え」、

「北海道産蝦夷豚のコトレッタ カカオ風味のスーゴとサマートリュフ」と並び、

お魚とお肉の魅力的な競演に思わずうっとりさせられます。

最後の〆には、「マルサラサインをふんだんに使用した大人のティラミス」を。

 

最初の一品からラストに至るまで笑顔は開放値、

まるで自分自身が地中海に浮かぶ太陽になったみたいに明るい気分に満たされます。

現地のシチリア料理の醍醐味を残しつつも、新たな魅力を加えたシェフの腕前に脱帽―かの地の2つ星レストランでスーシェフを務め上げた実績のことだけはあります。

これだけのハイレベルな味をテイクアウトやお取り寄せでいただけるなんてうれし過ぎる、そんな感想を事情通に伝えると、こんな返答が。「わたし的には、オマール海老濃厚アメリケーヌカレーがかなりツボ」。カレーまでもあるんですね―また一つ、「ill Duomo（イル ドゥオーモ）」の魅力を発見した思いでした。