新しい複合型のショッピングモールが増える中、昔ながらの街角や路地が残っている風景を見つけると、なぜかほっとするものです。広島市南区大須賀にあるエキニシ界隈は、まさしくそんな懐かしさ漂うエリア。その一角に、今回ご紹介する「焼念場」というお店があります。JR各線・広島駅南口から徒歩4分とアクセスも良く、出張や観光で訪れても、気軽に立ち寄れるところにあります。
店前に掲げられた大きなしゃもじをちらっと見ると、「エンジン全開」という気迫あふれるメッセージ―これぞ広島男児の心意気と言うべきか、否応なしに期待が高まっていきます。シンプルな1階のカウンターは、目の前が鉄板で迫力満点。カジュアルな2階のテーブル席は、グループでの宴会にも重宝しそう。壁には広島カープのユニフォームなどが飾られ、カープ女子をはじめ、地元っ子に愛されているのがよくわかります。
早速、名物の「焼念場焼き」を注文すると、うれしくなる香りが鉄板から立ちのぼり、心地よい音が弾みます。思わず食欲が刺激される見た目もお見事です。プリッとした和牛ホルモンや旨味の濃いゲタカルビが、先代直伝の特製旨辛ダレにしっかりからみ、ニンニクの芽と白ネギの火加減も絶妙。慌ててビールのお代わりをしないと、追いつかないほどです。広島県民熱愛の「和牛コーネ」や尾道天かすたっぷりの「とんぺい焼き」などの合間に、ひと口サイズの「ちびニラぎょーざ」をつまみつつ、ハイボールにチェンジ。鉄板焼きって、本当にお酒が進みます。
「はさみ」や「かわ」、「ねっく」、さらに「つくね」など、焼き鳥メニューは、梅肉乗せやオニマヨ、チーズといった「のっけ」と呼ばれるトッピングも可能で、こんなところにもらしさを感じさせてくれます。理想の組み合わせを探り当てることは、まるでカープの先発オーダーを予想するような楽しさ。
広島・エキニシ界隈に漂うノスタルジックな雰囲気。地元のお客さんをはじめ、遠方からの方々を惹きつけてやまないのは、きっとそんな土地柄もあるのでしょう。「焼念場」ですっかり楽しんだ後、明かりの灯った街並みが、なぜか心にしみてきます。
店名 「焼念場(しょうねんば)」
住所 〒732-0821 広島県広島市南区大須賀町10-5
電話番号 082-576-3513
営業時間 17:00~0:00
定休日 不定休
アクセス JR各線「広島駅」南口から徒歩4分